ボイスフィッシング犯罪で利用されるシナリオが絶えず進化しており、電話の受信者が疑いすら持たずに無防備に騙される事例が増加している。

15日、警察によると、現在最も多くの被害を生んでいるボイスフィッシングのタイプは、金融監督院や検察などの国家機関を偽る「機関偽装型」である。電話の受信者に恐怖心を与えてお金を奪う方法で、2010年頃からボイスフィッシング犯罪の初期から頻繁に利用されてきたレパートリーである。

最近では、この手法がさまざまな形に進化している。受信者が疑いなく電話に反応するように、現実に十分あり得る状況を重ね合わせるのである。クレジットカード配送案内、家電製品配送、裁判所の郵便物返送などが代表的な例である。

犯行は受信者の反応を事前に予測し、すでに次の段階まで巧妙に準備されている。例えば、カード配送などの電話を受けた受信者が「私は申し込んだことがない」や「何が起こっているのかわからない」と反応すると、フィッシング犯は偽のカスタマーセンターの電話番号を案内する。被害者がその番号に直接電話をかけると、偽の相談員は「個人情報漏洩」「事故口座」「名義盗用」といった言葉で不安感を煽る。この段階を超えると、被害者は組織のシナリオに従って動き始める。その後は伝統的なレパートリーである。過去には「子供誘拐」「口座犯罪関与」などを掲げて最初の電話から恐怖を煽る方法が主流であった。しかし、このような手法が広く知られるようになり成功率が低下すると、フィッシング犯は現実的な餌を利用して受信者の疑念を阻止し、その後段階的に心理を侵食していく戦略に転換した。

最初の電話で直接心理的衝撃を与える古典的な犯罪シナリオもさらに精巧になっている。誘拐や交通事故などの既存のレパートリーから逸脱し、「マッサージ店であなたを撮影した映像がある」や「最近加入したサイトが犯罪組織が運営するサイトで捜査が必要だ」といった形で脅迫するのである。最近、性風俗店を訪れたことがあるか、違法賭博サイトに加入した履歴がある人々が最も簡単な餌食となる。

バク・ウィヒョン警察庁フィッシング犯罪捜査課長は「ボイスフィッシングは被害者の心理的弱点をより巧妙に突く方法に進化している。少しでも異常を感じたら電話はすぐに切り、必ず自分で関連機関に確認しなければ被害を防ぐことができない」と述べた。

[ムン・グァンミン記者]