
警察庁国家捜査本部(国捜本)は、高位公職者犯罪捜査処(公捜処)、国防部調査本部などと「協力捜査本部(協力本)」を運営することを11日に発表した。非常戒厳事態を巡って警察・公捜処と捜査競争を繰り広げている検察は、協力本には含まれていない。
協力本は、国捜本の捜査経験と能力、公捜処の法理的専門性と令状請求権、国防部調査本部の軍事的専門性など、各機関の強みを生かして有機的に協力する方針だ。国捜本の関係者は「重複捜査による混乱と非効率の問題を解消する」と述べた。
非常戒厳事件を巡って警察は検察と捜査競争を繰り広げながらも、押収捜索令状などを申請するにはすべて検察を経なければならないという制約のため、何度も検察に後れを取る姿を見せていた。
警察・公捜処・国防部など3つの機関が「合同捜査本部」ではなく協力本を構成したのは、これが各機関間のシナジー効果を最大化できる方法だと判断したからだ。合同捜査本部は事務所を共同で運営し、各機関が捜査要員を派遣する形式で運営される。一方、協力本は各機関が独立して運営される中で、協力が必要な時に力を合わせることができる。

この日、特捜団所属の捜査官18名は正午前に龍山の大統領室に到着した。特捜団の捜査要員の手には押収捜索時に使用する青い箱が持たれており、デジタルフォレンジック機器も準備されていたとされる。押収捜索令状には4つの場所が明記されているとされ、国務会議室や大統領執務室、警護処などが含まれていると伝えられた。その日の真実を明らかにするのに役立つ国務会議の議事録も押収捜索対象資料だと特捜団の関係者は明らかにした。
国防部の西門案内室2階で1時間以上待っていた特捜団側は、案内室1階の訪問デスクで警護処の職員に「4つの場所の責任者を呼んでほしい。令状執行に関して協議したい」と再度要求し、押し問答を繰り広げた。特捜団の要求に対し、ユン・ジェスン総務秘書官が案内室で特捜団側と協議したが、結局この日の押収捜索は行われなかった。大統領室に対する押収捜索の試みと拒否は、2017年当時の朴槿恵大統領の国政介入特検チームの青瓦台押収捜索の試み以来7年ぶりである。
刑事訴訟法110条、111条は、軍事上の秘密および公務上の秘密を要する場所については責任者の承諾なしに押収捜索を進めることができないと規定している。龍山施設の責任者がこの条項を根拠に警察の押収捜索を拒否したと見られる。代わりに特捜団は任意提出形式で大統領室から資料を提供してもらうことにした。特捜団は非常戒厳時に戒厳司令部の状況室が設置されていた国防部と合同参謀本部庁舎でも押収捜索に乗り出した。合同参謀本部は「今回の押収捜索は前戒厳司令部が使用していた施設および装備が対象であり、合同参謀本部に対する押収捜索ではない」と説明した。
今回の押収捜索の試みは、国会国防委員会の現案質疑で12・3非常戒厳事態の際に尹大統領が軍指揮官に電話で伝えた発言が暴露された翌日に行われた。10日、クァク・ジョングン陸軍特殊戦司令官は「大統領がビハフォン(安全電話)で直接電話した」とし、「議決定足数がまだ満たされていないようだ。早く扉を壊して入って中にいる人々を引きずり出せと言った」と伝えた。
尹大統領が金容賢前国防部長官が報告した布告令草案の一部内容を修正または削除するよう指示し、布告令作成に直接関与した状況も確認されたとされる。
尹大統領が非常戒厳の全過程を指揮した状況が明らかになったため、警察が今後大統領の身柄確保を試みる可能性も予想される。刑法上の内乱の疑いは死刑まで可能な重罪であるため、警察は緊急逮捕の可能性も開いていると伝えられた。
公捜処もこの日非常戒厳事態に関連して「状況が整えば尹大統領に対する緊急逮捕を試みる」と明らかにした。今回の令状発布を通じて捜査の正当性を一部認められた検察も今後協力本とは別に内乱捜査を続ける方針だ。62名規模で合同捜査を行ってきた検察特別捜査本部はこの日、検事・捜査官など15名が追加で合流すると発表した。
[ムン・グァンミン記者 / クォン・ソンウ記者 / ウ・ジェユン記者 / キム・ソンフン記者]